留学大図鑑

岸田夏葵

出身・在学高校:
私立金蘭千里高等学校
出身・在学校:
京都大学大学院
出身・在学学部学科:
工学研究科建築学専攻
在籍企業・組織:
災害系コンサル

先輩の近況をリアルタイムでチェック!

私の留学内容にご興味のある方と、Twitter、Facebook(共に非公開)のアカウントを交換します。留学中の情報発信はFacebookで行っていたので、特にFacebookが参考になるかと存じます。

災害後の復旧時間をリスク評価の指標に!

留学テーマ・分野:
研究に関するフィールドワーク
留学先(所属・専攻 / 国 / 都市):
  • 南太平洋大学地理学 地球科学 環境学系研究分野
  • バヌアツ・フィジー諸島
  • バヌアツ共和国タンナ島・フィジー諸島スバ
留学期間:
8週間
総費用:
650,000円 ・ 奨学金あり
  • トビタテ!留学JAPAN「日本代表プログラム」 490,000円
  • 大学独自のもの 200,000円

語学力:

言語 留学前 留学後
英語 生活に困らない程度の日常会話ができるレベル<TOEIC 750> 生活に困らない程度の日常会話ができるレベル<?>

留学内容

バヌアツは2015年にカテゴリー5(ハリケーンカトリーナと同等)のサイクロン「パム」で大きな被害を受けた国です。国民の多くは近年でも草木を使い自らの手で家を建てています。一見、風で飛んでいきそうな建物に見える現地の建物ですが、サイクロンシェルターとして使われているものは他の種類の建物と比べて強風時に破壊されにくかったことが既往の調査で明らかになっています。また、住民が建物を建て方を知っているので、災害後に壊れた家を自らの手で立て直し、2カ月以内に大半の家が一時的な復旧を終えました。この驚くべき復旧能力を、他国と比較手可能な「復旧時間」という尺度で科学的に評価したいと考えました。
そのため、在来建築の強度を現地実験で明らかにし、建物復旧に必要な人工(何人が何時間かけて建物を作っているのか)を明らかにするためにアンケート調査を行う必要がありました。
現地実験はタンナ島にある実験装置を用いて行う計画を立てました。アンケート調査は日本の共同研究者の方々と留学先の先生と相談して計画を立てました。
結果、留学先の研究チームと日本の共同研究者チームに属していながら私が両者に連絡を怠ったため混乱が生じ、なかなか研究が始められませんでした。留学最後の2週間に入り、現地の友人ら、現地日本人スタッフの方、指導教官のご協力を得て調査を敢行し、研究に最低限必要なデータを得ました。

留学の動機

留学の動機は以下です。
・漠然と途上国に行ってみたいと思っていたから
・両親が「途上国は危険なので行くなら研究のために行きなさい」と言ったから
・指導教官が現地で研究活動を行っていたが、先生と全く同じ研究をするのではなく自分で課題をみつけなさいといわれた。そこで興味のある研究テーマを決めたところ、先生の研究範囲に該当しない領域で現地調査・現地実験が必要になったから。

成果

研究に必要なデータを手に入れたのみならず、窮地に陥った時にサポートしてくれた現地の方々から以下の事が生活するうえで大事だと学んだ。
・ご飯を一人で食べないこと
・面倒見の良いお姉さんと仲良くなること
・非言語系活動を友達を共有すること
・ごめんの代わりに「ありがとう」と言うこと
・病気は時間の無駄遣いだということ
・複数のグループに属すること
・「友達の多い友達」を作ること

ついた力

話しかける力

困ったことがあれば周りにいる人に話しかけて助けてもらう力が付きました。
バヌアツもフィジーも南の国なので人が明るく、気さくな人が多いです。見知らぬ土地でもすれ違う人が "How are you?", "Nihao!" と声をかけてくれます。日本に帰ってきてから人との距離が遠く感じるようになりましたが、環境に負けずに気軽に人に声をかけるよう心がけています。

今後の展望

・リスクの定量化が楽しく、今の研究が大好きです。今後はリスク評価に関する知見を増やしてプロのレベルまで能力を高めることが目標です。
・留学中、「思いを伝えることができないなら思っていないことと同じ」という現実を思い知りました。今後は歯がゆい思いをしたくないので英語でディベートができるレベルに上達したいです。
・人生のどこかのタイミングで、また1か月以上の海外滞在をしたいです。

留学スケジュール

2017年
8月〜
2017年
9月

バヌアツ・フィジー諸島(タンナ島レナケル)

・フィジーの南太平洋大学の先生に会い、フィールドワークの計画を立てる
・バヌアツの首都ポートヴィラで必要な実験資材と生活用品の買い出し、観光ビザの取得を行う
・バヌアツのタンナ島へ移動し、フィールドワーク(アンケート調査、材料実験)を行う
・フィジーの南太平洋大学の先生に結果を報告する

費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

90,000 円

生活費:月額

40,000 円

項目:交通費

330,000 円

アンケート調査の様子
タンナの有名な火山にも行きました
週末、このロッキーな海岸で遊ぶのが好きでした
費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

90,000 円

生活費:月額

40,000 円

項目:交通費

330,000 円

スペシャルエピソード

笑いあり、涙あり!留学中にあった、すごいエピソード

私が泊まっていたロッジの近くに、受け入れ先の先生のResearch Assistantとして私と一緒に調査をしていた友人が泊まっていました。友人らは自炊をしていたので時々ご飯を作ってもらっていました。マーケットに行き夕食に必要な食材を買い出し、ロッジに向かって歩いていたところ、肉を買い忘れたことに気づきました。友人が「引き返して肉を買ってくるから先に歩いていて」と言って去り、帰ってきたと思ったら鶏を握っていました。

新鮮な肉です。。。。

感謝してもしきれない、お世話になった・大好きな人

受け入れ先の先生が、バヌアツ出身の教え子2名を紹介してくださいました。彼女たちは卒業に必要な単位を取り終え、卒業式を待っている状況だったため、ボランティアとして、私がフィールドワークを行う6週間、研究対象地の離島で一緒に滞在してくれました。
彼女たちのお蔭で研究対象地でも知り合いが沢山できました。留学中は研究が上手く進まず凹むことの連続でしたが、彼女たちがそばにいてくれ、相談に乗ってくれたので挫けませんでした。
今振り返って留学が良い思い出になっているのは彼女たち、そして彼女を研究対象地の離島へ連れてきてくれた受け入れ先の先生のお蔭です。感謝してもしきれません。

ロッキーな浜辺がお気に入りの場所でした
離島でも、アイスが100円で売っていました
留学最終日に滝へ連れて行ってもらいました

家族と留学詳細情報を共有する

  • 周囲の説得 : 家族

私の両親は大変な心配性です。私が一人で海外に行くだけでとても不安だったと思いますが、さらに行き先が聞いたことのない途上国だったので不安が一層大きかったことと思います。
両親には留学の全日程についてそれぞれの宿泊先、宿泊先のHPと電話番号、利用する飛行機の日時と便名をリストにして渡しました。また、留学受け入れ先と現地にいる関係者の、連絡先(メールアドレスと電話番号)、私との関係も表にして送りました。
これを受け取って、少し安心したと言っていました。

現地では無事にスマートフォンが難なく使える環境を手に入れたので、時々両親にLINEで連絡をしていました。

クレジットカードの「家族カード」を「複数枚」持っていく

  • 生活 : お金

クレジットカード社会が発展していない途上国で「現金を手に入れる」ことは生活するうえで必須です。大量の日本円を持っていき現地通貨に両替する方法もあります。しかし長い留学で必要な大金を治安が日本ほど良くないであろう途上国で持ち運ぶのはリスクが大きすぎます。
収入のない学生でもクレジットカードは作れますが、海外のATMでお金をおろす機能である「海外キャッシュ機能」は作ることができません。通常学生が海外でお金をおろすには、海外取引が可能な銀行のキャッシュカードをつくること、デビットカードを作ることなどが考えられますが、金利が高いのが特徴です。私が推奨するのはこれらのどれでもありません。
お勧めは、「父に海外キャッシュできる家族カードを作ってもらうこと」です。利点は4つです。(1)金利が安いので単純にお得  (2)お金をおろした事を家族に伝えたらその都度家族に決済をしてもらうことでさらに余計な金利が発生しない (3)もしもクレジットカードを紛失した場合、家族に連絡したらアカウント停止の手続きを日本で代わりにしてもらえる (4)保険が付帯している

ちなみに海外に持っていくクレジットカード1枚では足りません。その理由は3つです。(1)クレジットカードひとつにつき利用可能額があるから(2)盗まれた場合に備える必要があるから(3)ATMにより使えるクレジットカード会社が異なる可能性があるから、です。
私はVISAカードの家族カード、Materカードの家族カード、新生銀行のキャッシュカード、自分のクレジットカード(海外キャッシュできない)の4枚を持っていき、別々の場所に入れて注意深く保管していました。

紛失したときのためにカード番号等の情報を控え、日本にいる信頼できる人にもシェアしておくと良いと思います。滞在先の近くにあるATMで使えるカードの種類を調べておくのも大切です。

日本用SIMフリーのスマホを持っていく※ただし周波数を確認すること

  • 帰国後の進路 : その他(インターンシップなど)

海外に行った場合にスマホが使えないと最悪です。海外に行って最初に行うべきことのひとつがsimカードの入手です。
simフリーのスマホを持っていない場合に悩むのが、日本でsimフリーのスマホを買うか現地でスマホを買ってしまうかですが、私のお勧めは日本でsimフリーのスマホを買うことです。なぜなら海外でスマホを買うと操作案内がすべて英語もしくは現地語なので使いづらいです。また、日本のスマホであれば日本人が愛するLINEが使えます。

ここで注意されたいのは、「simフリーのスマホ」と一口にいっても全てのsimが認識できるわけではないということです。スマホには認識できる周波数が決まっています。日本でsimフリーのスマホを購入する場合は事前に留学先で何の周波数の回線が使われているのか、自分のスマホはどの周波数に対応しているのか確認しましょう。

だいたい全世界の周波数に対応している海外仕様向けのスマホはiPhoneやNexusやAndroid Oneだと思われます。お勧めはアンドロイドのNexusとAndroid Oneです。理由は(1)途上国の人は比較的値段の安いアンドロイドを使っている場合が多いと思われるから(2)iPhoneは世界共通価格でみんなが知っているブランドなのですぐにお金を持っている人だとばれるからです。その点Google社製のNexusとAndroid Oneは高機能で使いやすい優秀なスマホであるにも関わらずそこまで知名度がない(ごめんなさい)ので現地の人が使っているスマホに紛れることができます。

留学前にやっておけばよかったこと

調査計画を完璧にし、受け入れ先の先生や研究に携わっている人たちに伝えるべきでした。時間が足りず、十分な準備ができなかったことをずっと後悔しています。
なぜ時間が足りなかったかというと、現地の生活に関する情報を収集することに時間を取ったからです。現地の生活情報を収集したことは決して無駄ではなかったですが、時間を上手く使えばよかったなと思います。

留学を勧める・勧めない理由

勧めます。苦しみを乗り越える経験ができるからです。留学中、苦しいこともありますが、現実に向き合い自分なりの方法で乗り越えた経験は人生の糧になります。私の場合は苦しんでいる時に助けてくれたヒーロー達に出会うことができました。今後の人生の中で私が困難に直面した時も、彼らの生き方や考え方が困難を乗り越える方法を示してくれる気がします。

これから留学へ行く人へのメッセージ

しんどい時のお勧めの対処法はとにかく一人にならないことです。また、計画が行き詰って煮詰まってしまったら、思い切って全く別のこと(友人と遊びに出掛けるなど)をしてみることも効果的です。留学生はいわば「周りの人に頼ることを許された存在」です。周りの人を恐れず、周りの人に甘え、周りの人を巻き込んで豊かな経験をされることを願っています。楽しんでください!