留学大図鑑

はるき

出身・在学高校:
福島県立磐城高校
出身・在学校:
東北大学
出身・在学学部学科:
文学部人文社会学科
在籍企業・組織:

ウィーンと難民と、黄色い家と。

留学テーマ・分野:
大学生:交換・認定留学(日本の大学に在籍しながら現地単位取得を伴う留学)
留学先(所属・専攻 / 国 / 都市):
  • ウィーン大学
  • オーストリア
  • ウィーン
留学期間:
10ヶ月
総費用:
1,800,000円 ・ 奨学金あり
  • トビタテ!留学JAPAN「日本代表プログラム」 1,720,000円
  • 研究室同窓会より 300,000円

語学力:

言語 留学前 留学後
英語 挨拶など基本的な会話ができるレベル<TOEFLitp 540点> 授業や会議の内容が理解でき、必要な発言ができるレベル

留学内容

東西ヨーロッパの人々がはげしくいきかった歴史をもつウィーン、現在は難民の問題を巡ってドイツやEUと歩調をあわせるか、またはハンガリーやポーランドにならって受け入れ拒否や制限をおこなうかということで社会が大きく揺れ動いている。そんなオーストリアで、移民や難民など国境間を移動する/せざるをえない人々とそれに対して変化する現地社会の状況をさぐるべく、留学。大学に交換留学生として在籍、上述の関心をもとに実践的な授業を受ける一方で、難民や移民のエンパワーメントをめざし語学教室やイベントなどの活動に取り組むNPO法人でボランティアを行う。また、難民やその支援者を中心にインタビューを行う。

留学の動機

日本で生きていて「なぜ」と思う事がたくさんあったこと。なかでも「ガイジンさん」を特別に扱う日本人や日本社会の姿に大きなはてなをもっていたこと。日本にあるものは「当たり前」なのか「特別」なのかを知りたくてうずうずしていたこと。幼少期からヨーロッパの街角で見るきれいな空、夕日に憧れていたこと。生ハムを手頃に味わいたかったこと。でも、なにより、この広い広い世界を知らないまま死にたくなかったこと。

成果

ウィーンに暮らす無数の外国人、それぞれの生活空間には別の民族コミュニティがあり言語がある。一方で彼らはみな、ひとりのウィーン市民としてドイツ語を操り、互いの文化を尊重しながら生活する。外国人や難民を共存不可能な存在と捉える人はオーストリアにも少なからずいるが、それよりも強く、互いの「違い」を楽しみ、一人の人間として社会に受け入れようというウィーンの寛容な側面を肌で感じる一年となった。

ついた力

つま先立ちしない力

留学生活はできないことだらけ。大学も、買いものも、電車に乗るのだって一苦労。できないことをできないと認められず、難しいことから逃げようとする自分を必死で制止する中で、なんでもいい、とりあえずやってみる、そんな力がついたように思う。つま先立ちをして自分を本来よりも大きく見せようとするのではなく、できない自分を認め、できるところまでやってみる、あらゆるものに関して、それでいいのだと思えるようになった。

今後の展望

日本社会をもっと知るべく、社会の一分子としての自分を自覚するべく、まずは日本社会で働いてみたいと思っているが詳細は考え中。生涯を通じて海の向こうの人々とつながっていたいと強く願っている。常に自分の頭で考え、自分と社会の為に生きていけるような人間でありたい。

留学スケジュール

2016年
10月〜
2017年
6月

オーストリア(ウィーン)

ウィーン大学に交換留学生として所属。正規学生にまざって英語で講義を受ける。
オーストリア人のルームメイトとアパートの一室をかりてシェアハウスをする。

費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

- 円

生活費:月額

- 円

オーストリアの国会議事堂
暮らしていた部屋
トランスジェンダーな信号機さん
費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

- 円

生活費:月額

- 円

2016年
2月〜
2017年
7月

オーストリア(ウィーン)

Station Wien というNPO法人でのボランティアを行う。この団体はウィーン市やEUの協力のもと、基礎学力の足りていない外国人女性へのドイツ語学習や市民教育の無料提供、誰にでも開かれた語学カフェの開催、またダンスや音楽を通して人々の交流、社会への統合を促進するプロジェクトなどを絶え間なく企画する団体である。アフガニスタンやシリアからやってきた多くの難民に出会い交流するなかで、いかに自分がそれまで「難民」をステレオタイプで捉えてしまっていたかを反省する。人の数だけそれまでの人生のストーリーがあった。その境遇の難しさを知るとともに、それでもドイツ語を凄まじい速さで習得し、仕事を探し、様々なものに挑戦する力強い姿に心から勇気をもらう。

費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

- 円

生活費:月額

- 円

Station Wienのイベントを告知する掲示板
費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

- 円

生活費:月額

- 円

スペシャルエピソード

この国のことが、とても好きになった瞬間

普段はちょっとむっつりしていることで有名なウィーンの人々。だけどそのポーカーフェイスの裏側には信じられないほどお茶目な裏の顔がある。ウィーンの森の入り口に並ぶホイリゲ(ワイン居酒屋)。この空間に一歩はいると、まるでおはなしの世界にはいったよう。席があいていなければこっちにきて座りなよ、と相席をしてくれる人がいて、写真を撮ってやるかと声をかけられ、おすすめのごはんやワインを教えてくれる。お茶目な冗談で何時間も笑い、音楽にあわせてみなで歌って踊る。はたまた、まちなかでの野外コンサート。目の前で演奏を聴いていた老夫婦はいつの間にか、群集のなかで楽しそうにワルツを踊りはじめていた。いままで知らなかったウィーン人の姿を見れた事にちょっぴり感動した。この町のことが、とても好きになった瞬間だった。

ホイリゲの演奏家たち

のめりこむように言語を学ぶまで

  • 語学力 : その他の言語

ドイツ語を日常会話までできるようにすることを留学前の目標にしていた私だったが、最初はどうしても英語を使ってしまい(英語だって満足には使えなかったのだが)なかなかアウトプットをすることができないために、その語学力をあげられずにいた。学ばなければいけない、という強迫観念に似た感情は自分を奮い立たせることはなく、また机に向かっている時間があっても頭はそれほど効率よく言語を吸収してはくれなかった。いつになったらドイツ語ができるようになるのだろう、そう悩んでいたとき偶然知り合ったオーストリア人の女性。「お母さん」と慕っていたこの人が私のドイツ語能力を飛躍的にあげてくれることになる。それはつまり私のモチベーションを強くしてくれたということ。文法の間違いや聞き取れない恐怖におびえることなく安心して話す事のできるこの人ともっと面白い話をしたい、ちゃんと感謝の気持ちを伝えたい、もっと語彙が必要、もっともっと。そんな気持ちでのめり込むように単語帳に並ぶ言葉を吸収するようになった。結局、言葉はなにかを伝え、人とつながることを可能にしてくるツールなんだ、そんな単純な原点に自分自身で気づけたそのとき、私のドイツ語はやっと成長をはじめた。

絶対に助けてもらったほうがいいことについて

  • 事前準備 : 渡航手配(VISA、保険、持ち物など)

留学開始直後はとにかくできないことだらけだが、とりあえずはひとりででなんでもやってみなければいけない。しかし、時々は他の人の力に頼って少し無理をしてでも助けてもらったほうがいいことがある。その一つが居住許可の取得などの行政手続き。その曖昧さと適当さで悪名高いオーストリアの行政に、毎年日本からの留学生が非常に苦労する。郊外の役所にわざわざ出向き、何時間も待たされた末に担当者や日によってころころ変わる曖昧な基準に何度も翻弄されることになる。その難しさを事前に聞いていた私は忙しいルームメイトに頼み込んで手続きの際、一緒に行ってもらうことにした。ルームメイトが担当者とドイツ語で話してくれたのが本当に大きかったと思う。私の手続きはなんの問題もなく通った、本当に奇跡的に。日本人留学生の友人は私と同じ条件の書類を携えてひとりで行き、保険の再契約など、何度も書類の変更を求められた。行政の担当者は流暢な英語を話すが、母国語で話す場合とは気分が違うのだろう。現に態度が変わる。担当者の気分によるところの多い行政の国に行くのであれば、そうした煩雑な手続きの際には絶対に母国語話者で助けてくれる人を頼ったほうがいいと思う。

留学を勧める・勧めない理由

日本のことを見ているだけでは身近な社会や文化を見る目、考える視点が単一化されていってしまうように感じます。一度外にでることで「あれ?日本ってどうなっているんだ」と考えたこともなかったような疑問が生まれ、好奇心に変わります。外を知る事は中を知る事。世界を知る事は自分を知る事。そこに留学をすることの価値があるように思います。

これから留学へ行く人へのメッセージ

人生で自分が一番したいことってなんだろう。私にとってそれはいつの間にか「まだ見ぬ土地に行くこと」になっていました。移動が簡単な時代に生まれ、「日本国パスポート」という最強の身分証明書をもつあなたは本当にラッキーです。望むならぜひそのチャンスをつかってみてください。好奇心をどこまでも追求してみてください。世界は知れば知るほど深く、広くなるように思います。ちょっと違った自分に出会えるはずです。