留学大図鑑

まやこす

出身・在学高校:
福岡県立東筑高等学校
出身・在学校:
神戸大学
出身・在学学部学科:
人文学研究科
在籍企業・組織:

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美術史研究と社会の架け橋となるために

留学テーマ・分野:
大学院生:交換・研究留学(日本の大学院に在籍しながら現地大学院内で学ぶ留学)
留学先(所属・専攻 / 国 / 都市):
  • The Warburg Institute・カレル大学哲学部
  • イギリス・チェコ
  • ロンドン・プラハ
留学期間:
2年(トビタテ6ヶ月、日本学術振興会特別研究員DC1年半)
総費用:
3,522,000円 ・ 奨学金あり
  • トビタテ!留学JAPAN「日本代表プログラム」 1,080,000円
  • 日本学術振興会特別研究員DC 3,600,000円

語学力:

言語 留学前 留学後
英語 生活に困らない程度の日常会話ができるレベル<TOEIC830点、ドイツ語検定2級> 生活に困らない程度の日常会話ができるレベル<チェコ語検定(CCE)B1取得>

留学内容

美術館の学芸員に必要な、①美術史研究と②美術館教育(教育普及)の力を身に付けるため、ロンドン大学附属ウォーバーグ(ヴァールブルク)研究所とプラハのカレル大学に合計2年間留学しました。
①国際的な美術史(図像解釈学)の研究機関であるウォーバーグ研究所で世界的に活躍する先生方に指導を受け、頻繁に開催されるセミナーなどに参加しました。また、自分の専門分野である神聖ローマ皇帝ルドルフ2世時代美術の第一人者がいるカレル大学に留学し、本教授の指導を受けました。
②国際都市であるロンドンと、反対に日本のように移民が少ないプラハの美術館でワークショップ参加などを通して美術館教育の在り方を調査しました。

留学の動機

今回の留学は2回目の長期留学です。留学自体は小中学生のころからの夢でした。でも英語力に自信がなく、諦めていましたが(この時TOEIC740)、大学の英語ビジネスプレゼンプログラムの一環で3週間オーストラリアに滞在した際のクラスメイトが次々と交換留学に行くのを見て、自分にもできるのでは、と考えはじめました。そして、私も学部生のときにプラハに交換留学をしました。今回は研究で必要なので行きました。

成果

研究面での成果を言えば、留学中に一部執筆した報告論文で鹿島美術財団賞優秀者に選ばれました。
また、留学先で新たな目標も生まれました。ロンドンの研究所でヨーロッパ各地の美術史の学生と交流した結果、西洋で自分の研究を発表したいと思うようになりました。その後のプラハ留学で私の研究分野の第一人者である教授のアドバイスを受け、それを踏まえてチェコの研究誌への投稿を目指して現在改稿中です。

ついた力

考えるよりまず行動する力

これまで、やりたいけど断られる可能性のあることを打診するときに気恥ずかしさを感じ、ためらいがちだったのですが、図々しく自分の意志を主張しなければ流される環境でたくましくなったようです。いまだにもじもじするものの、思いつきは思いついたときが旬だし、自分が動けば事態が動くので、ためらう前にやってしまうようにしています。帰国後に、やっぱり行動力が違いますね~と驚かれることが増えました。

今後の展望

留学の成果は上記の英語論文と博士論文にまとめる予定です。また、美術館教育の調査結果は、学芸員に就職できた暁には活かしていきます。
ただ、留学を通して感じたのは、自分の西洋美術研究は海外でも少しは認めてもらえる水準にきているけれども、それを表現するスピーキング能力が圧倒的に足りないということです。今後は、また海外に行く機会ができたときにそれを最大限活かせるよう、日々地道に語学を勉強していきます。

留学スケジュール

2015年
10月〜
2016年
2月

イギリス(ロンドン)

私が留学した研究所は、美学美術史・人文学の図書館も兼ねており、ほとんど全ての図書が開架においてあります。そのため、平日、授業を受けた後は図書館にこもって自分の研究を進めていました。学校帰りや休日は美術館で美術館教育の資料集めなどに行っていました。
ロンドンは移民が多いため、外国でありながら日本人だからこう!と決めつけるよりも、個人を見られることが多く感じ、心地よく過ごせました。ただ、研究所にはアジア人がひとりもおらず、私の存在感もなかったので、目立てるところは人種だけでした。ですが、留学の最後の時期に、英語の論文を書いてアドバイザーの先生に見せたところ、思いがけず評価をしてくれました。そして、学生ではなく研究者としてどう論文を向上させるべきか、アドバイスをくれました。その時に初めて、研究所唯一の「あの日本人」ではなく私として存在を認められた気がして感動しました。

費用詳細

学費:納入総額

80,000 円

住居費:月額

130,000 円

生活費:月額

80,000 円

美術館巡りの途中で
費用詳細

学費:納入総額

80,000 円

住居費:月額

130,000 円

生活費:月額

80,000 円

2016年
2月〜
2017年
9月

チェコ(プラハ)

チェコでは、
①研究
・カレル大学の教授に研究指導をしていただく
・現地の美術館・博物館のアーカイブを訪問する
②美術館教育
美術館のワークショップ参加・資料閲覧など
③その他
美術館訪問などの際に必要なチェコ語の習得
に励みました。

友達になるととてもあたたかい人が多い反面、東欧の外からの移民が少ない国なので、人種差別的発言を毎週のように耳にすることになり、その点ではしんどかったです。ただ、世の中には体験しないと分からない苦しみがあって、人種差別は日本ではうまく想像できなかったことなので、これも留学先でできた貴重な体験のひとつだと思っています。

費用詳細

学費:納入総額

540,000 円

住居費:月額

24,000 円

生活費:月額

40,000 円

項目:日本の所属大学の学費

840,000 円

一緒に旅行するほど親しくなった、大事な友達です
街中に大学の建物が点在するので登校中こんな風景にも出会えます
費用詳細

学費:納入総額

540,000 円

住居費:月額

24,000 円

生活費:月額

40,000 円

項目:日本の所属大学の学費

840,000 円

スペシャルエピソード

ココでしか得られなかった、貴重な学び

イギリスの研究所では、人との接し方を学びました。研究員の先生方はとても気さくな方ばかりで、もう60歳以上の方から愛称で呼んでと言われたときはおどろいたものです。そして、英語も下手で恐らく若く見えた私に対しても対等に話を聞き、議論する姿勢を見せてくれました。
また、私がついた先生は世界的に有名で、忙しくヨーロッパやアメリカの間を飛び回っている方だったのに、私と話すときはしっかり向き合って話をしてくれました。
イギリスではドクターの学生はもう研究者という扱いをされるらしく、それも一因だと思いますが、向こうが対等に向き合ってくれたことで、こちらもしっかり答えねばと身が引き締まる思いでした。そして、どんな立場にいる人と話すでもこのようなオープンな気持ちを持ちたいと思いました。

1学期半すごした研究所兼図書館

自己手配の留学の場合、留学先大学での身分とビザに要注意

  • 事前準備 : 渡航手配(VISA、保険、持ち物など)

私が行くイギリスの研究所では、私の身分に対して学生ビザを取得するための書類を出さないことが渡航の数ヶ月前に判明しました(同じロンドン大学の他の研究科では出すこともあるようです)。そこで、他のビザの種類を調べ打診したり、日英のさまざまな機関に問い合わせたりしましたが無理でした。大学事務に相談すれば教授に相談するようアドバイスされ、教授に聞けば大学事務に聞くよう言われ、日本に聞けばイギリスへ、イギリスに聞けば日本に、他の教授に、他の機関に…という過程をたどったのち、ビザをもらえる可能性がないという諦めがつきました。最終的にはチェコを留学先に加えるという変更申請をすることに決め、そのために奔走し、出発1ヶ月前には留学と日本の下宿からの引っ越し準備を整えました。そして出発と下宿退去の2週間程前になった頃、大学の先生方に招かれ、さまざまなご指摘をいただいたのですが、すでに変更できない時期でした。

結果的にチェコを加えたことが私の研究にとってプラスになったので、これも必要なステップだったのかもしれません。ですが、ほぼひとりで解決策を探った1,2ヶ月間は非常に辛かったです。自分で留学先を手配する場合は、まだ奨学金がもらえるか決定しておらず留学が未定の段階であっても、ビザのための証明を自分の所属先で発行してもらえるかよく確認しておくべきだったと学びました。

これから留学へ行く人へのメッセージ

留学は楽しいけど、簡単なことではありません。留学先では大変なことがたくさんあると思います。他の留学生がキラキラまぶしく見える日もあるかもしれません。でも焦らずに気楽に構えていてください。同じことをしていても、うまくいくときもいかないときもあります。とにかく後悔だけはないようにやってみてください。