留学大図鑑

ちるえ

出身・在学高校:
大宮開成高等学校
出身・在学校:
北海道大学大学院
出身・在学学部学科:
昭和女子大学
在籍企業・組織:

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可能性に向き合える社会に広報で貢献する

留学テーマ・分野:
海外ボランティア
留学先(所属・専攻 / 国 / 都市):
  • タイ現地NGOミラー財団
  • タイ
  • チェンライ
留学期間:
12ヶ月
総費用:
1,480,000円 ・ 奨学金あり
  • トビタテ!留学JAPAN「日本代表プログラム」 1,700,000円

語学力:

言語 留学前 留学後
タイ語 挨拶など基本的な会話ができるレベル 生活に困らない程度の日常会話ができるレベル

留学内容

タイ現地NGOミラー財団にて1年間ボランティアリーダーを務めた。ミラー財団は、タイ国内においてマイノリティな立場にあり、かつ複雑で見えにくい問題を抱えている山岳少数民族に関わり、かつ広報活動に力を注いでいるローカルNGOである。私は1年を通じて大きく2つの活動に取り組んだ。
ひとつは山岳民族に関わる活動である。具体的には、幼稚園・小・中・高校に赴き日本語や日本文化の授業を受け持つこと、山岳民族の村にホームステイすること、農業や土木作業を行うことなど多岐に渡った。ミラー財団には世界中から様々な年齢層のボランティアが集い共に活動に臨む。日本語・英語・タイ語・山岳民族の言葉、ボランティアたちの母語…様々な言語が飛び交う中で活動を行った。彼らの文化を知ること、そして彼らの視点から山岳民族がどのように見えるのかを知ることができたのは、貴重な機会であった。
もうひとつは広報活動である。Facebookやブログを通じ、私たちの取り組む活動や、山岳民族の文化や問題について発信した。私は絵を描くことや一眼レフで写真を撮ることが好きであり、積極的にそれらを盛り込むことで面白く魅力的に発信する工夫を心がけた。またブログでは自身の留学に至る背景や困難をはじめ、留学にかかる費用やビザ等、長期でボランティア留学するために必要な具体的なステップを赤裸々に紹介し、留学のロールモデルとなれるよう心がけた。

留学の動機

私は大学院で日本の子どもの貧困について研究し、貧困や差別などの問題が人の可能性を狭める大きな要因であること、また問題は目に見えにくいことから無いものと誤認され支援活動を阻んでいることに問題意識を持っていた。これらを打開するためには、社会に理解を促す広報活動が重要だと考えた。私は絵を描くことが好きで、問題打開に向けた広報において自分に何ができるのか気づきを得る目的で、留学し実践を試みることにした。

成果

留学を通じ、広報における受信側の大前提を問う必要性を痛感した。発信側が当然と思っている認識が受信側にとってそうではない場合も多く、大前提を疑い、その齟齬にいかに気づき埋めようと試みるかが理解を促す広報活動の鍵となることがわかった。そのために、発信側がいかに問題を体系的に理解し分かりやすく発信できるか、同時に受信側が主体的に理解したくなるような魅力を伴えるかが重要であると考えるようになった。

ついた力

適応、リフレ-ミング、サバイサバイ、創造力

NGOのオフィスは自然豊かな場所にあり、虫や生き物の多い環境に初めは戸惑ったが最終的には楽しさを見出した。どんなことにも良い面と悪い面があり、良い面を享受する力と、悪い面を受入れつつもポジティブに捉えるリフレ-ミング力が育まれたように思う。それは自分自身も同じで、シリアスに考えすぎず自分も相手も受入れるタイ人の「サバイサバイ(タイ語で「気楽に」)」精神に感化され生きやすさを手にいれた。

今後の展望

私の夢は、鉄拳さんのように惹かれる表現と、池上彰さんのような分かりやすく伝える力を併せ持った発信者としての「ちるえブランド」を確立し、大前提の問い直しを促し、あらゆる社会の問題に対する行動の背中を押すソーシャルアクションの実践者になることである。そのために、問題や学びを描き、発信する実践を重ねている。帰国後にグラフィックファシリテーションに関心を持ち、実践の場を増やしたいと考えている。

留学スケジュール

2016年
4月〜
2017年
3月

タイ(チェンライ)

タイ現地NGOミラー財団にて1年間ボランティアリーダーを務めた。私は1年を通じてNGOの中にある寮で世界中から集まったボランティアたちと共同生活を送りながら、大きく2つの活動に取り組んだ。
ひとつは山岳民族に関わる活動である。具体的には、幼稚園・小・中・高校に赴き日本語や日本文化の授業、山岳民族の村にホームステイ、農業や土木作業など多岐に渡った。もうひとつは広報活動である。Facebookやブログを通じ、私たちの取り組む活動や、山岳民族の文化や問題について発信した。積極的に自身の好きなイラストや撮影した写真を盛り込むことで面白く魅力的に発信する工夫を心がけた。
 留学中自身の好きなことで活動を行う機会に恵まれ、主体的に考え行動することに魅了された。同調意識の強い日本においてそれは時に難しいことであるが、だからこそ実践していかなければならないのではないかと感じるに至った。

費用詳細

学費:納入総額

500,000 円

住居費:月額

- 円

生活費:月額

20,000 円

項目:ビザや保険料、予防接種等

500,000 円

小学校での授業風景。子ども達が先生になることもしばしば・・・
NGOで撮影。天気が良ければ肉眼で天の川が見えます。
ボランティアたちと観光地プーチ-ファーにて。
費用詳細

学費:納入総額

500,000 円

住居費:月額

- 円

生活費:月額

20,000 円

項目:ビザや保険料、予防接種等

500,000 円

スペシャルエピソード

感謝してもしきれない、お世話になった・大好きな人

留学前私は何事にも自信がなく「価値の無い自分ごときが」が口癖だった。その私を「自分に何が出来るか」と主体的に考えることができるようになったきっかけは、NGOでの出会いや体験であった。私にとってすべて貴重でかけがえのない財産となった。その全てのきっかけをくださったのが、NGOで唯一の日本人スタッフであり、日本人ボランティア皆のお姉さんである、さくらさんであった。
さくらさんは私がやってみたいということに対し「いいんじゃない?」といつも背中を押してくださった。私に価値あることができるのだろうかという不安を持ちながら何事にも挑戦し失敗と成功を積み重ねた結果、「できない自分」を受入れながら「自分に何が出来るか」を考え行動していくことができるようになった。心許ない私に様々なことを委ねるのはとても勇気が必要なことであったように思う、だからこそ私を信じてくださったさくらさんには感謝してもしきれない。
また同じ女性として、海外で働き、結婚し、子どもを産み育てるということについて様々な話しを聞くことで、自身の将来について改めて考えるようになった。頼もしいロールモデルがいるからこそ、私はポジティブに引き続き様々な挑戦を続け、長い目で恩返ししていきたいと思う。

アカ族の結婚式に浴衣を着て参加しました。
最後に贈った似顔絵。家族を持つことに憧れるようになりました。
娘の杏ちゃんに、ボランティア皆が育てられました

就活にも効いた!留学経験

 留学中Wifi環境が悪く情報収集できなかったこともあり、就活のスタートに出遅れ苦戦した。しかし「就活のために留学期間を短くするのはもったいないよ」とアドバイスを受け、留学期間を最大限に享受して帰国し就活をはじめた。
私は留学を通じてひたすら絵を描き続け、それを以て分かりやすく発信する活動に努めており、何かしらの形でその経験を活かせないだろうかと考えていた。ただでさえ就活のスタートが出遅れているのに、自身の好きなことにこだわる方法を模索するというのは、茨の道を自ら選択し突き進むようなものだった。しかし私はそれを選び、周りの仲間たちの力を借りながら、情報収集を行い就活に臨んだ。
自身の作品を見せながら「複雑なことを、工夫して分かりやすく発信するのが好きなんです」と説明し、最終的にITコンサルタントの企業から「この力はコンサルに必要だ」ということで内定を頂くことができた。同時に就活の中で目標としたいデザイナーに出会い、「情報を元にデザインを組み立てる力は今のデザイン業界で求められているけれど、まだまだ認知度が低い。諦めずに取り組み続けて欲しい」と仰っていただけた。
出遅れた就活は本当に不安であったが、結果的に就職活動に留まらない将来に繋がる多くの出会いに恵まれた。支えてくださる方の声を聞きながら妥協せずに今後も実践を重ねていきたいと思う。

就活の際、状況を見て配布した私の作品。
トビタテの二次面接で使ったプレゼン。仕掛けを盛り込んだ。

ココでしか得られなかった、貴重な学び

大自然の田舎暮らし、適応するのに少し時間がかかった。トイレにヘビがいること、2階の自分の部屋の枕元にカエルがいたこと、体長30センチのトッケイヤモリの家族がいること、食べ物を放っておくとすぐにアリがたかってしまうこと、雨季で蚊が大量発生すること、大雨で停電する夜、Wifi難民、断水、水シャワー、倒木で通行止め、穴だらけの道路・・・自分はここに1年間住めるのだろうかと、心配てあった。友達に話しても「イモトが行くようなところじゃないか」「こんなところによく住めるね」と眉をひそめられることもしばしばあった。
私を含めミラー財団に来るボランティアのほとんどは、ボランティア開始前同じように不安を抱えているが、終わる頃には慣れて気にしなくなる、そして「また来たい」と言う。これ体験した人にしかわからない、想像することと実際は全然違うものなのだ。
確かに生き物に驚くことも、不便な生活にため息が出ることもある。しかし、それ以上に澄んだ青空や山の緑、そこでの食事、人の優しさや笑顔、星空、月明かりで影ができることと新月の暗闇、心地よい風…それらで全てを忘れてしまうのだ。
そんなのあなただけだろう、と思うだろう。来てみればわかる。そして私は、想像で抱いてしまうネガティブな感情こそが、世で言う「偏見」や「差別」の根源になりうると、山岳民族の暮らしと問題について考えている中で気づいた。

「コンロより薪の方が美味しくできるんだよ」
トレッキングで出会った風景。無加工無修正。
高級品、竹の虫。見た目にだまされることなかれ。

譲れないことは何か?そして人脈が鍵!行けるなら実際に短期でも行ってみると早い。

  • 留学先探し : インターンシップ

留学先開拓のポイントは二つ
①譲れないことは何かを考えること
自身の留学におけるキーワードを書き出し、譲れない順位付けを行います。そしてそのキーワードから留学先を広げ、ここだ!と思う留学先に行ったことのある人にコンタクトを取り相談していきます。
重要なのは譲れない部分が何かを考えることです。全部が合致すれば最高ですが、そうでない場合を考え自身の選択肢を絞らないことが留学先開拓の大きな鍵となります。
私は当初①アメリカかイギリスなどの先進国、②NPO等子どもに関わる機関、③できるだけ長期で活動できる、3つの条件を考えていました。しかし先進国はビザの関係で長期滞在が難しいことがわかりました。私はかつてデンマークに半年間留学していたことがあり、人に関わる活動を行う上で半年間という期間は短かく、どうしても長期で行きたいと考えていました。そこで②と③を優先順位上位として探しました。
②実際に行ってみる・先達を探すこと
ミラー財団に出会ったのは本当に幸運で、夏休みに短期でボランティアに参加した際の活動先がミラー財団でした。実際に活動に携わった経験は大きかったように思います。その中で「ここで1年間活動したい」と思い、交渉の結果1年間受入れていただけることになりました。
知らない人を長期で受入れるというのは、団体側にとっても心配やリスクが伴います。ゆえに既に行ったことのある人や、可能であれば実際に訪問することで、それらを取り除き受入れていただける可能性がぐっと上がります。インターネットや留学大図鑑、Diverses等々のツールを駆使して相談・探してみてください。

初めて訪れた村。皆で道路をつくった。
まさかここに1年留学することになるとは・・・
ラフ族の衣装。幸せそうな家族、問題とは何だろう

留学前にやっておけばよかったこと

語学!文化理解!挙げると正直キリが無いので、留学前は留学前にしかできないことをやるのが良いと思います。良くも悪くも留学したらやらざるを得ないことがたくさんあります。語学も文化理解も現地でやった方が吸収が早いです。初めは苦労すると思いますが苦労する価値あります。なので日本にいるうちはお世話になった先生や友人にたくさん会っておいたりしてエネルギーチャージしておくのが良いと思います。

留学を勧める・勧めない理由

留学する・しないの決断に優劣はないと私は考えます。が、もし留学したいならば、した方がいいです、絶対に。その上で足かせになることがあるならば取り除きましょう、誰かにまず相談してみてください。やりたいことができないという現実は本人だけの損ではなく国として大損害です。その意思に是非自信を持ってください。

これから留学へ行く人へのメッセージ

そのときにしか出来ないこと、現地でしかできないことを大切に!限られた時間、帰国後の不安もたくさんあると思いますが、全部なるようにしかなりません。先取りや先手必勝文化に嘖まれ、目先の不安に囚われ、今を無駄にしてはもったいないです。今を全力で楽しむことができる人は、未来でも全力で楽しむことができると私は信じています。自分の心の声に耳を傾け、今やるべきことに全力を尽くせますように。