留学大図鑑

Naoya

出身・在学高校:
私立成城高等学校
出身・在学校:
中央大学
出身・在学学部学科:
法学部法律学科
在籍企業・組織:
日本チェコ協会/日本スロバキア協会

フランスの労働政策、労働組合、法律

留学テーマ・分野:
大学生:交換・認定留学(日本の大学に在籍しながら現地単位取得を伴う留学)
留学先(所属・専攻 / 国 / 都市):
  • リヨン政治学院
  • フランス
  • リヨン
留学期間:
9ヶ月
総費用:
1,900,000円 ・ 奨学金あり
  • トビタテ!留学JAPAN「日本代表プログラム」 1,900,000円

語学力:

言語 留学前 留学後
フランス語 生活に困らない程度の日常会話ができるレベル<TCF B1> 専門的な研究や会議において、議論や調整ができるレベル<仏検一級>

留学内容

2014年9月から、フランスのリヨンに留学。初めの2週間は語学学校で、フランス語の集中講座を受講。9月中旬から2015年5月まではリヨン政治学院で労働・政治・法律を中心に勉強。とりわけ、労働については、留学の目的のメインであるため、一番力を注いだ。フランスでは有給取得が当然であり、年に最低5週間の有給を取得可能。日本とは違い、細切れに取るのではなく、まとめて5週間とることも可能。フランス人労働者の権利に対する意識は強く、同僚を気にして有給取得を遠慮することもない。彼らは私生活と仕事のバランスに対する意識も高いので、週35時間労働制・週休2日の中、家族との生活をとても大切にしている。このような労働制度がどのようにして成り立っているのか、その仕組みをリヨン政治学院で法的視点、政治経済的視点、宗教的視点から見つめ習得し、日本で過労死や仕事うつが少しでも減るように日本社会に還元したいと考え、留学を計画。

留学の動機

私が労働に興味を持ち始めたのは、父親の突然の解雇がきっかけ。それ以前からも劣悪な労働環境の中、私生活を犠牲にし、もがき苦しみながら働いている姿を見て、身を粉にして働く日本人が報われる社会にできないのかと強く感じていた。父の解雇以来、日本の労働法を勉強するようになり、この時にフランスの労働法と労働政策にも興味を持ち、留学を決意。

成果

仏検1級取得とCEP(政治学修了証明書)取得。フランス語実用能力は毎日の積み重ねで得たもの、CEPは学期ごとに9つ授業を選択し、その履修を修了することが条件で取得。CEP取得に当たっては、約9割の授業をフランス語で履修したので、プレゼンテーションを発表するにも、期末試験通過にもフランス人大学生並みの語彙力であったり、表現力であったりを求められた。

ついた力

法的思考(契約書作成)力

「国際取引法」(ゼミ形式)の授業を受講。フランス産の赤ワインをケベックに輸出するにあたり生じる法的問題を10テーマにわけ、発表グループを作ってその対策のために契約案を作ってくるのがプレゼンでの課題。私は地震や火事、洪水といった予期せぬことが発生した場合、どのように契約上供給者側(フランス側)を守るか、民法上の不可抗力の問題について考え、論理的に説明できるよう試行錯誤を重ね、契約書を作成。

今後の展望

この活動が学生生活の集大成だった。改めて感じたことは外国語を日常的に話す環境にいられる幸せだ。仏語にせよ英語にせよ、外国語を話すことが私に生きている実感を与えてくれる。それは毎日が学びになるからだ。商社勤務の後、海外移住を考え、現在はチェコへの大学院留学を計画。

留学スケジュール

2014年
9月〜
2015年
5月

フランス(リヨン)

9ヶ月間リヨン政治学院で、労働を中心に勉強。特に「なぜ働くのか」という疑問を塾考。教育は最終的には労働のためにあり、大学までいって次にすることは当然働くことと親に言われ続けてきたが、なぜ働かないといけないのか、その根本的な問いには答えていなかった。勤労の義務や納税の義務がある限り、やはり私たちは働くことを生まれながらにして強いられている。この近代国家が作り上げた統治システムに逆らうことはできない。それでは、近代民主制の中央集権的な政治制度が成立する以前はどうだったか。自給自足の農村社会において、やはり収穫や狩猟といった形で私たちは働いていた。要するに元をただせば、働くことは生きるための術なのだ。しかし、現代はこの考えが薄れてきて、むしろ逆転。とりわけ日本では働くことに強く焦点が当てられている。その一例が過労死だ。このようになぜ働くのかという疑問から日本の労働問題の原因を感じることができた。

費用詳細

学費:納入総額

250,000 円

住居費:月額

50,000 円

生活費:月額

80,000 円

授業のプレゼン写真
費用詳細

学費:納入総額

250,000 円

住居費:月額

50,000 円

生活費:月額

80,000 円

スペシャルエピソード

シャルリーエブド襲撃事件

「シャルリー・エブド」本社に覆面をした複数の武装した犯人が襲撃。警官や編集長、風刺漫画の担当者やコラム執筆者ら合わせ、12人を殺害した事件。犯人がイスラム過激派であったことから、初めは反ムスリムの雰囲気がフランス社会で流れた。その後、世俗主義のフランス社会では、個人を対象とした侮辱でなければ、風刺画により、たとえ神であろうがどんなものでも、批判することができるといった「表現の自由」を守る戦いへ。この世論変化で、フランス国内でイスラム嫌いが加速するのではないかと思っていた私は少し安心した。なぜなら、私の学生寮にはムスリムが多く住み、彼らのことを思うと同情するしかなかったからだ。彼らには何の責任もない。むしろムスリムこそテロの被害者だった。テロが起きた週末、フランス全土でデモ行進があり、リヨンでもフランス国内で2番目に多い30万人が参加。表現の自由を守るため、シャルリーに賛同する人もいれば、「私はムスリム」、「私はユダヤ人」といって神の冒涜は許されないと主張する人も。ただひとつ言えるのは、皆犠牲者への哀悼の思いを持っていた。犠牲者はムスリムも含まれており、実際は宗教を問わない残虐なテロだった。このテロをきっかけに学んだことは、ムスリムとイスラム過激派をしっかり区別する必要があること、フランス人の多様性、移民社会の難しさ、移民政策の発端・フランスの植民地主義の歴史など、数え切れない。

シャルリーエブド襲撃事件後デモ

下村大臣と面会

2015年5月上旬、当時の文部科学大臣であった下村博文さんの前で、留学内容をプレゼンする機会を得た。下村元大臣はこの留学プログラムに大変力を注いでおり、トビタテ生が具体的に何をしているのか視察するため、パリに来ていた。(トルコでの教育大臣との面会やスイスでのUNESCO視察も兼ねてのパリ視察)。パリに来た学生はフランスに留学しているトビタテ生が対象で、10人ほどの学生が集まり、一人4分という短い時間だったが、大臣の前で留学活動を説明。プレゼン後は質疑応答の時間が設けられ、大臣との交流を深めた。大臣の前でプレゼンということで大変緊張したが、留学内容を明確に説明することができ、質疑応答では日中韓の歴史認識の違いについて言及して、これから教科書やカリキュラムを通して、歴史教育を見直していく必要があると大臣の意見を聞くことができた。この経験は政治に興味を持ち出したと私にとって大変貴重なものだった。これを機にフランスに留学しているトビタテ生とも仲良くなり、トビタテ生は芸術や建築、ロボット工学など多分野に渡って留学していると実感し、刺激を受けた。

大臣とパリにて

留学後の就活について

  • 帰国後の進路 : 就職(企業)

就職活動は、交換留学からの帰国が6月だったので、2ヶ月間という短い期間で行いました。就職活動のために特別にしたことはなく、エントリーシートや面接では3度の留学経験と経験から学んだことを説明。素の自分を受け入れていただき、商社から内定をいただきました。事前研修や事後研修で社会人と接する機会があり、どういった学生が企業に求められているのかを就活前に知れたことが成功の鍵になったと思います。

トビタテのポスターに起用され、就活でも活用。

留学を勧める・勧めない理由

留学を絶対に勧めます。よく言われる、「留学に行くと価値観が広がる」というのは、紋切り型の言葉ではなくて事実なんだなと実感しています。間違いなく、視野を広げ、多様な視点で物事を見られるようになったと思います。

これから留学へ行く人へのメッセージ

私は大学1年の時から長期留学に行きたかった身です。ただ、今は3年生で出発して正解だったと思います。なぜなら、ある程度の専門知識や教養を固めてからの方が、その背景ありきで外国語による授業を受けられるので、理解度が大幅に増すからです。高校時代からずっと専門的に勉強してこられたものがあるなら、話は別ですが、大学での講義を大切にし、その延長だと思って留学に挑戦してみてください!