留学大図鑑

FUJII AO

出身・在学高校:
フェリス女学院高等学校
出身・在学校:
上智大学
出身・在学学部学科:
外国語学部ドイツ語学科
在籍企業・組織:

スイスで本場の社会言語学×通訳翻訳

留学テーマ・分野:
大学生:交換・認定留学(日本の大学に在籍しながら現地単位取得を伴う留学)・人類学・言語学・歴史学・社会学・国際文化
留学先(所属・専攻 / 国 / 都市):
  • ジュネーヴ大学
  • スイス
  • ジュネーヴ
留学期間:
11ヶ月
総費用:
2,500,000円 ・ 奨学金あり
  • トビタテ!留学JAPAN「日本代表プログラム」 2,200,000円

語学力:

言語 留学前 留学後
フランス語 授業や会議の内容が理解でき、必要な発言ができるレベル<TCF:B2> 専門的な研究や会議において、議論や調整ができるレベル<受験していない>

留学内容

スイスのジュネーヴ大学に交換留学し、社会言語学と通訳翻訳学を専攻した。ジュネーヴは「言語学の父」ソシュールとゆかりのある、言語学の聖地。加えて、4つの国語を持ち、外国人の受け入れが多い国柄や国際性あふれる土地柄、スイスでは言語への関心が非常に高い。(社会)言語学の研究と通訳翻訳学で実績の高いジュネーヴ大学で講義とゼミに参加し、大学の外では実際に全言語圏を訪問するなどの活動を通して知識を今回の留学で深めた。
期待を超えるほど質の良い授業、面倒見の良い教授に囲まれ、文字どおり「多言語社会」の雛形のような場で得た”知識”と”感覚”はその後の社会言語学の研究動機に直結している。

留学の動機

学んできた外国語を使ってしかできない特定の分野を学びたいという思いが当初のきっかけ。また語学力を高めること以上に、言語と社会や国家の関係、言語の教育政策に関心があり社会言語学の基礎を日本で学習していた際に多言語国家スイスの言語政策に興味を持った。中でも伝統ある学術研究、また世界各国からの留学生数で世界トップクラスに位置づけられるジュネーヴ大学での勉強が目標となり、留学を決意した。

成果

社会言語学・通訳翻訳学の授業で取得した単位を、上智大学の単位に変換・現地調査の結果と合わせて卒業論文作成・スイスの言語政策・言語教育を研究テーマに、大学院に進学予定

ついた力

自分に規制をかけない力

自己紹介をする機会が多く、その都度自分をどう見せるかということを考えた。日本では自然に理解される学歴や出身地が海外では通用しないため、自分のプロフィールをどのように説明するかで相手に与える印象が大きく変わる。自分の経歴や育った環境では当然と思っていたことも、外国語で説明してみると”いかに自分が自分にレールを敷いているか”が再発見され、素裸の自分の思いに向き合う機会とそれに対応する力を留学で得た。

今後の展望

言語の変換に特化したプロという意味での通訳になるよりも、自分が複数言語を学ぶことで得た広い視野や新しい人との出会いなど、言語教育の可能性についてより深く考察し、広めていきたいという思いがある一方でお金を稼ぐことや社会に何かを還元することが少し先延ばしになってしまうことが不安だったが、興味のある分野に納得のいくまで取り組みたいという思いに気づき、大学院進学を決めた。

留学スケジュール

2015年
9月〜
2016年
7月

スイス(ジュネーヴ)

<社会言語学の講義とゼミ)> Français et la politique linguistique「フランス語と言語政策」、 Français en contact et plurilinguisme「接触言語としてのフランス語と複言語主義」、 Différenciation de la sociolinguistique「社会言語学の分化」、La Suisse et ses langues「スイスとその言語」
***
<通訳翻訳学の講義とゼミ> Science de langage「言語学基礎」 、Rédaction FR,DE「文章構成法(仏独)」、 Aspects de la langue FR,DE「文法的特徴(仏独)」、Analyse de la langue FR,DE「文学的特徴(仏独)」、Civilisation FR,DE「フランス語圏・ドイツ語圏の文化社会」

費用詳細

学費:納入総額

- 円

住居費:月額

78,000 円

生活費:月額

120,000 円

ジュネーヴ大学Uni Bastions
ジュネーヴ大学Uni Mail
ジュネーヴのシンボルJet d'eau

スペシャルエピソード

ココでしか得られなかった、貴重な学び

スイスの言語景観調査で回った場所。
様々な言語で書かれた地方紙のボックス

4つの国語を持つスイスでは、26あるカントン(州)がそれぞれの公用語を設定し、行政・教育を行っている。スイス人が全員、4つの国語を話せるという訳ではないというのがスイスの「多言語」状況。よって、各地域を実際に回らなければスイスの言語環境の概要は把握できない。
さらに、スイスの人口の25%をしめる外国人もスイスの多様な言語環境を作る一要素であり、実際にスイス全国を回るだけでなく、統計データの分析も重要である。
世界には公的なものも事実上のものも含めて「多言語国家」が少なくないが、スイスの例を一つ取るだけでも相当の調査量が必要と理解できたのは、実際に足を踏み入れたからだった。

留学中に、自分を勇気づけてくれたモノ・コト

ため息がでるほど美しいLac Léman
通い詰めたVictoria Hall
世界中の友人と交換したポストカード

海外での生活に昔から憧れ、外国語でのコミュニケーションも留学前から得意・好きなタイプだと自分では思っていました。留学して実際に期待どおりの生活が得られると、想定していない面で自分がストレスをためていることに気づき、その事実が情けなくさらにショックでストレスをためるという悪循環が起きてしまいました。外国語能力を伸ばさなければいけないから、日本人との接触や日本語からの情報収集を意識的に避けなくては、というプレッシャーも逆効果になっていました。そうした時に一息、言葉や人間関係の壁なく「美しい」ものに触れられたヨーロッパの環境はとても恵まれていたと感謝しています。芸術・音楽・街歩きなど自分が”全世界で”好きな物に留学で気づくことができました。

スイスの滞在許可証

  • 事前準備 : 渡航手配(VISA、保険、持ち物など)

日本国民はビザなしで3ヶ月以上の長期滞在も可能だが、滞在するカントンの移民局に「滞在許可証」の申請が必要。申請のための書類は日本から送っておくと、現地での手続きがスムーズで、手数料もかなり安くなる。

私は渡航3ヶ月ほど前に入学許可証を大学から受け取り、パスポートのコピーや滞在理由書、銀行の残高証明などとともに申請書をEMSで送りました。実際に送ったのは渡航直前で、送った書類のコピーを空港で提示し現地に到着(パリ経由で行ったのでEU入国審査の時に少し質問されたりするかなと心配だったため)。
到着後すぐに、書類受理のお知らせメールを受け取り、ジュネーヴ移民局へ。滞在場所の確認と指紋採取を経て数週間で滞在許可証(身分証明書のような形式)を受け取り。
手続きは本当に海外かと疑うほどとてもスムーズでしたが個人差があるようでした。

*参考 http://ge.ch/population/nos-formulaires (ジュネーヴ移民局の申請書類 仏語)

ジュネーヴの住宅不足・住宅詐欺に要注意

  • 住まい探し : 学生寮

小さなエリアに世界中から留学生・インターン生が集まるジュネーヴでは常に住宅が不足しており、学生寮の入居は”非常に”困難。
休暇を利用した短期滞在が一時的に増える夏休み中・秋学期開始時期はほぼ飽和状態、シェアルームを見つけることもかなり苦労します。ちなみにワンルームは家賃が基本的に1000ユーロを超えるのでお勧めしません(金銭的余裕がある方は是非。)。

私は渡航半年ほど前に5つほど学生寮に入居願書を送りましたが、返事はどれもNO。諦めてホームステイか安めのAirbnbを直前まで探すことになりました。やっと見つかったAirbnbの一室は一晩60ユーロで、2週間の滞在がやっとでした(ホテルは一泊100ユーロが最低価格の国です…)。
その間に学生寮から、「学期開始の1ヶ月後からなら一室空く」との連絡をもらい、入居までの間の滞在先としてワンルームの間貸案件の家賃を前払いしようと送金手続きをしようとしていたら、大家さんが詐欺師と発覚。その瞬間ホームレスになり、ありとあらゆる人脈をたどって1ヶ月のホームステイ先を見つけて一件落着という経験をしました。

大事なのは、1 学生寮は早めにコンタクトを取り、確実に一室ゲットする 2夏場の住宅不足に漬け込む詐欺に注意(特に、インターネットサイトでのやり取り)3 現地での知り合いは宝物 4 ジュネーヴ市内で見つからないなら、近郊のフランスに住むことも検討すべし(バスで通学しても数十分の距離)

大学が住居斡旋をしてくれないと分かっている場合はとにかく早めに住居確保をしてください。住居さえあれば、治安も良く生活に必要なものがすべて揃ったとってもいい街です。

Swisscom

  • 生活 : 携帯

ヨーロッパでは日本よりもフリーWifiのアクセスが充実しています。
大学と自宅でインターネットがあるなら、普段はSMSと電話のみで十分だと思います。

私は日本からもってきたiPhone(SIMフリーでない)をWifi下で使用し、
現地で買ったプリペイドのNATEL(スイス携帯会社大手のSwisscom)を現地でのメッセージと通話に使用していました。
NATELは本体が19ユーロほど、プリペイドで支払った額は年間で30ユーロ以下でした。
iPhoneはソフトバンクの番号お預かりサービスに登録して、月額390円の支払いのみです。

現地で常に電波が欲しい方は、フランスやドイツでSIMフリーのスマホを買って、SwisscomのSIMを入れて使う方法もあります。本体はだいたい1万円ほどで、緊急時以外はプリペイドを使わないようにしていればこちらもそこまでお金がかかりません。

留学前にやっておけばよかったこと

<世界史の復習>
現地の授業はもちろん、友人とのふとした会話の中でもよく世界史の知識を踏まえた話が出てくる。詳しくなくても、話題に入っていける瞬間を増やすことが、成長や思い出作りのきっかけになります!大学受験でやったきり忘れていた知識を少しでも思い出しておくことをおすすめします。

これから留学へ行く人へのメッセージ

「海外生活に憧れる」「外国語を話せるようになりたい」といった目標で留学する方は、現地で具体的にどんなものを見て、誰に会って、何を学びたいのか、もっと狙いを定めて渡航前に情報収集してみてください。
きちんと準備をして留学に臨むことは自分へのプレッシャーになり、予定通りに成果を残せない場合も、目的をもって取り組む留学は自分を応援してくれる人への感謝をしっかり示すことにつながります。